いやもうそんな時期ですか、といった感じであちこちの旅行向けサイトなどで去年2024年の観光地ランキングや今年2025年のオススメ観光地などが発表され始めております。
で、ここで取り上げたのは「U.S. NEWS & WORLD REPORT」というサイト。https://travel.usnews.com/rankings/best-europe-vacations/
これはアメリカでは大変知名度のある時事解説の雑誌なので、ご存知の方もたくさんいるかと思います。今じゃ様々なランキング版で有名なとこですが、特に大学ランキングはよく知られていますね。
アメリカのメディアというのは各々の論調がはっきりと出る事で知られておりますが…、今回はそんなU.S.Newsが発表した旅行先ランキングという事で、もしかしたら多少の忖度はあるかもしれないかなぁーと思い結果を見たらまぁ特にたまげた忖度もないな、という事で取り上げてみました。
じゃぁひとまずU.S. Newsおすすめのヨーロッパ観光地ランキングを出してみましょう!
1.スイス・アルプス
2.ローマ
3.ヴェネツィア
4.ロンドン
5.パリ
6.フィレンツェ
7.アムステルダム
8.バルセロナ
9.プラハ
10.アテネ
とりあえず10位まで出してみましたが、まだまだ続きます。
以降興味のある方は↑のサイトリンクを訪れてみてくださいませ。
ここで「おおっ!」と思ったのは、なんといっても一位にスイス・アルプスがある事です。
他の都市は実際の観光客数ランキングと比較して大した違いがないくらいにほぼ同じですが(フィレンツェとヴェネツィアがかなり上位にいる事以外)、スイス・アルプスが一位になっている事に驚きましたね。
スイスも風光明媚なとても良い観光都市はたくさんあるのに「スイス・アルプス」と一括りにされてしまっているのがどーかとも思いますが…、スイス・アルプスといったらやはりツェルマットやユングフラウ、ゴルナーグラートなんかじゃないでしょうか。他にも色々ありますが、氷河特急やベルニナ急行をひたすら乗って車窓を眺めるのも楽しいですね。
実は私はチェコに在住しておきながら高い山が好きなんですが(〇〇と煙はなんとやら)、交通機関運賃や物価の高さを忘れる程にスイスの自然は素晴らしいです。帰宅した後に残高を確認して青ざめます。
…チェコのガイドがスイス・アルプスばかりを書いていてもしょーがないので、ここから9位にいるプラハの解説をサラッと見てみましょう。
”プラハでの休暇はまるでおとぎ話の世界に足を踏み入れたかのような気分にさせてくれます。
しかし絵画のような美しい歴史地区にも暗い歴史、そしてそれに対する強靭な過去が隠されています。数々の転覆、侵略、災害に耐えて生き残ったプラハの人々の忍耐こそがこの街を魅力的なものにしているのです。
プラハはかつての冷戦時代、西側からは隠れた宝石としてベールに包まれた街でしたが、その事を長い間秘密にしておく事は出来ませんでした。”
抜粋ですが、こんな感じで書かれております。いやまさにその通りですね。
かつての冷戦時代の1960年代に実は西側のテレビがプラハに入って特集をした事が何度かありましたが、その頃から「いつかは行ってみたい古都」として西側諸国の人達には知られていました。
ちょっと一本YouTube動画リンクを貼っておきました。(BBC News 1968.7.22)
当時他の東側諸国とは一線を画した社会となり変わりつつある時期(プラハの春)にBBCがプラハに入って人々に取材をしていますが、皆、チェコ語やロシア語(当時の東側諸国全体の公用語)ではなく英語で答えています。初めてこれを観た時ちょっと驚きましたが、ご年配の方々に以前色々かつての時代の話を聞いた時に、結構普通にラジオなんかを通して西側の文化は入ってきていたそうです。西側のミュージシャンのレコードなんかも、もちろん街なかの店頭などのおおやけなルートではないですが、手に入ってたみたいですね。なので西の文化に憧れる若い層などは英語の勉強なんかも自分からしていたようです。この動画ではないですが、別の1980年代初頭のプラハの様子を映した映像だと、プラハの街なかのパブなどはモヒカン頭のパンクスみたいなのがいっぱいいて当時のロンドン辺りと若者の格好に違いがありません。これも地理的にチェコはすぐ隣に西ドイツやオーストリアがあったからなんですかね。実際プラハからはロンドンやパリ、ローマなどの都市の方がモスクワよりも遥かに近いですから。
ちなみに、現在のチェコは”中欧”です。たまーにですが、未だに”東欧”と日本では呼ばれる事があります。チェコやスロバキア、かつての東ドイツ地域、ポーランド、ハンガリー、スロベニアなどを東欧と呼ぶのは、冷戦時代のイデオロギーの違いで分けた呼び方ですので、今こちらでチェコを”東欧”と言うと、(え…この人まだ冷戦時代の頃を生きてるあっち側の人なん?) と、もしかしたら思われてイヤーな顔をされるので気をつけてください。
(アメリカのCIAが出している「The World Factbook」で”東欧”と現在呼んでいる国々にはロシア、ウクライナ、モルドバ、ベラルーシ、リトアニア、ラトビア、エストニアがあります。
ですがリトアニア、ラトビア、エストニアの人達にとってこれには大いに不満がありまして…「自分たちは東欧ではなくバルト海に面した北欧諸国」と言っています。確かに地図で位置を見てもバルト海沿岸に並んでいて、通称”バルト三国”とも呼ばれていますから北欧と言った方が正確の様に思えますね。後はモルドバもルーマニアとの関係が歴史的に非常に深く沿ドニエストルの問題もあり”東欧”と呼ばれる事への拒否反応がある様に思えますが…。こういった事は一番にその当事国の人達の意見をまずは第一にした方が良いですね。)

CIA World Factbookより
今では自由に旅行者が往来できるようになり、小さいプラハの街に多くの観光客が訪れて未だ現存する中世の古都を楽しんでいます。
是非とも日本からも多くの旅行者にプラハを訪れて頂き、ヨーロッパの歴史を体感して頂きたいと思います!
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