近頃は”オーバーツーリズム”という字面をよく見かけるようになってきましたが、過度な観光客の集中というのは世界中であります。そしてどこの観光地もやはり観光客のマナーが非常に問題視されております。
そしてヨーロッパでも有数の観光地であるプラハも最近問題となっている事がありまして…それが
酔っぱらい
です。
酔っぱらいなので治安がどうこうではございません。ただの遊びに来た陽気な酔っぱらいです。プラハはヨーロッパの中でも大変治安の良い街で知られております。だからこそ観光客が酔っぱらって夜道をふらふら歩いていられる街でもあるのです。
ですが普段の生活の場で慣れた日本の街とは違い、こちらにいるデカい欧米人観光客の酔っぱらいに突如声をかけられたら驚きますよね。基本プラハの道ばたにいる酔っぱらいの多くは観光客 (あとは24時間酔ってそうな道ばたで寝てるヘロヘロのおじさん) なので悪気は全くないでしょうけど、女性だけで歩いていると声をかけられたり色々と面倒くさい事があると思うので気をつけてください。ひとまず酔っぱらいを近くに感じたらソッコー離れてください。
ちょっとおもしろい事(?)を思い出しましたが、以前、トラムで酔っぱらいのおじさんに絡まれていた女性が、最後肘鉄をおじさんのみぞおちに食らわせてカバンで顔を引っ叩き、悶絶したおじさんに周りにいた女性が寄ってたかって罵声を浴びせかけ次の駅で皆でトラムからおじさんを引きずり下ろしていました。チェコ人女性には強烈な人が多いです。
「治安」とはいったい何を指すのか、という話にもなりますが、スリや置き引きなどは世界中の観光地、もちろん日本にもいます。スリに遭わないようにするにはカバンの位置です。必ず前方に下げるようにして視界の外側の背中の方に回さないようにして頂ければスリも気をつけている人には寄ってきません。ですが逆にスキだらけに見える人は何度でもスリに遭います。そういった意味では、これまであちこち海外旅行をした経験のある人で一度もスリに遭った事のないという気をつけている人はプラハでも遭う事はないはずです。そして何がどこに入っているのかをしっかり記憶しておき、人々が行き交う人混みの真ん中でカバンを開けて物を探し取り出したりしない事です。
そしてボッタクりの店、これはあまりプラハで聞いた事はないですが、観光地なので観光客と分かったら何かあるかもしれません。まずはメニューの金額と出されたレシートは確認してください。「ユーロで支払ったらかなり割高な料金を提示された。」という話も聞きますが、ユーロで払うと割高になります。これはボッタクりではありません。というか、ボッタクリとも思える程の大した料理でもないのに高級レストラン並みの金額のレストランもあります。こればかりは観光地なので難しいですね。出来れば事前に観光客に全振りしてしまった様なレストランには行かないように調べておくのが良いですね。そして日本にはない習慣であるチップ。チップはボッタクリではありません。このチップは一割程度ですが、カード支払いの時にはレシートの金額に一割足した額を口頭で告げればOKです。ちょっと慣れないと大変かもしれませんが、日本とは全く異なる文化の国へ旅行に来たという事で、郷に入っては郷に従い文化の違いというものも楽しみましょう。
後は、タクシー? これも観光地には白タクというものがいるので気をつけてください。ライドシェアとかではなく正真正銘の白タクです。白タクというのも世界中どこにでもいます。いまやタクシーは流しやタクシー乗り場で捕まえるものではなく、自分でアプリなどで呼び出すものです。もしやむを得ず路上や駅などにいるタクシーに乗る時には (十中八九正規のタクシーではない白タクと思いますが) 地図を出して見せてあらかじめ行き先までの料金を聞き「今これしか現金を持っていない。カードは使えない。」とか言って交渉しましょう。ただしそれをやるには相場の料金を知らないといけませんが…。 まぁ一番良いのはタクシー会社のアプリ(またはライドシェアUberや、ヨーロッパで多いのはBolt) を事前にスマホに入れておく事です。呼んだ所まで来てくれますしおおよその料金も乗車する前に出てきます。ドライバーに行き先を告げなくても既に分かっているのでそんなに会話をする必要もなくなります。そしてドライバーの名前や営業許可登録番号などの情報をはじめ全ての記録はアプリに残り本部にも丸見えなので余程の事でもなければそうそう悪い事はできません。
ひとまず上記の事柄を「治安」と言ってしまった場合、日本も相当治安は悪い国になってしまいます。どことは言いませんが日本の大都会の繁華街は世界有数のデカさで観光地にもなっています。日本でのそういった地域でのスリやボッタクリ、白タクなどは私でもこれまでに幾度となく耳にしています。近頃は良くなってきたのかな?いや余計にひどくなっている様な話も聞きますが…。とりあえずはチェコに限らずどこでも人がたくさんいる街へと旅行に行く際には「自分はここでは外国人で、様々な国の外国人観光客が集まる繁華街に遊びに出かける。」と思って行動しましょう。
話が逸れましたが…で、チェコを多少でもご存知の方達ならば、
「チェコはビールをはじめお酒が美味しい上に安い国」
という印象かもしれませんが、これはこちらヨーロッパでもそんなイメージです。
そんなチェコのプラハで問題になってきているのが、現在「パブ巡り団体ツアー」とかいうものが若い旅行者の間で大流行となっていまして、街中夜通し毎日毎晩朝まで物凄い数の酔っぱらいが陽気に道ばたで騒いで車が通れなくなる程となっています。
以前はここまでの事はなかったんですがねぇ…ほんとに。
なのでプラハでは「観光客が多過ぎる!出ていけ!」ではなく、
「ここはしっかりと追加措置を講じましょう。」
となりまして、プラハ1区の区議会議員はプラハ市に対して
午後十時から朝六時までの団体パブ巡りの禁止の承認を求めました。
私はこれ見て思いましたけど、まずはこれで良いと思いますけどね。まずは。
陽気に騒ぎにきている観光客のお兄さん達が羽目を外し過ぎないようにルールを決めてあげればいいんですが、まずはそのために「夜十時以降はパブ巡り団体ツアーをやめさせよう」となったわけです。ツアーなので企画をしている業者がいるんです。
デロデロに酔っ払ったお兄さん達に集団で水鉄砲をかけるわけではありません。そんなんしたら余計に騒いで喜びます。大はしゃぎです。酔っぱらいには逆効果です。
このツアー、普通に静かにお酒を楽しみたいお客さん達をも阻害しているので、ほんとやめてもらいたいんです。突然に観光客を皆で責めるのはお門違いで、まずは自分達身内でのテリトリーで行政がしっかりルールを決めて対処をするのが先で、それがまぁ最善かとは思いますが、どうでしょう。ほとんどの観光客はそんなマナーがひどいなんて事はないので「夜十時以降パブ巡り団体ツアーを行ったら罰金」なんて決まりがあったところで、ほとんどの人にとっては関係のない事でしょう。
で、その「酔っぱらいなんとかしなさい」と注意を受けてやり玉に挙がってしまったお気の毒なお店がありまして…、ここもまた歴史的な建造物なんですが「Chapeau Rouge」というパブ&クラブ&ライブハウス。
私もこんなに酔っぱらいの団体が増える前まではたまに行ってましたけど、なかなか雰囲気の良いコヤなんです。
ここはまぁまぁの老舗で創業が1919年です。その頃から「Chapeau Rouge」という名で営業を続けています。
ですが「Chapeau Rouge」という名になるそれ以前の17世紀からここは放蕩者の集まる酒場として有名な場所だったようです。
すぐ隣にはまた有名な聖ヤコブ教会があるんですが、かつてここで目撃された証言では
「荒廃した建物には騒々しい悪霊が取り憑き、悪魔が酒場を経営し屋根裏にはドラゴンを飼っている」
と言われたそうです。
いやこれ、めっちゃ笑えるんですけど。
三百年以上経っても未だに騒々しい悪霊が取り憑いてドラゴンが火を吹いているわけです。
チェコはお酒の美味しい国です。プラハの旧市街地区のいにしえの街の中でほろ酔い気分になるのはとても気分が良いですが、悪霊が取り憑きドラゴンを飼ってはいけませんよ。
私は夜のプラハが大好きで時間があればよく夜中に街を徘徊しながらプラハの美しい夜景の写真を撮って歩いていますが、確かにこの酔っぱらいの数は増えてきている感じは致します。是非この辺は今後プラハ市には対処をして頂きたいですね。
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