陽気な酔っぱらい観光客が多過ぎ問題~チェコ・プラハの治安とか差別とか移民とか国籍とかに関する話と老舗酒場の話

チェコニュース云々

近頃は”オーバーツーリズム”という字面をよく見かけるようになってきましたが、過度な観光客の集中というのは世界中であります。そしてどこの観光地もやはり観光客のマナーが非常に問題視されております。
そしてヨーロッパでも有数の観光地であるプラハも最近問題となっている事がありまして…それが

酔っぱらい

です。

酔っぱらいなので治安がどうというわけでもなく、ただの遊びに来ている陽気な酔っぱらいです。プラハはヨーロッパでも治安の良い街で知られていますが、遊びに来た観光客が酔っぱらって夜道をふらふら歩いていられる街でもあると思えば、酔っ払いも平和の象徴にだんだん見えてくるかもしれません。

ではこの外国人観光客の酔っ払いの何が問題なのかと言うと、上の写真を見て頂いても分かりますが…、集団でやってくるので圧が半端ないんです。この辺りの話は後の方でいたします。

ですけど普段の生活の場で慣れた日本の街とは違い、こちらにいるデカい欧米人観光客の酔っぱらいに突如声をかけられたら驚きますよね。基本プラハの道ばたで見かける酔っぱらいは観光客 (あとは24時間酔ってそうな道ばたで寝てるヘロヘロのおじさん) である事が多いので悪気は全くないでしょうけど、女性だけで歩いていると声をかけられたりする事もあるかもしれません。ひとまず酔っぱらいを近くに感じたらソッコー離れてください。遠くから見て発見できれば早期回避ができます。反対の歩道とかに移ってしまえば追いかけてくるような事はまずありません。トラムの中で捕まってしまうと延々とよく分からない話を一方的に聞かされ続けますが…でも0:00過ぎの深夜トラムにでも乗車しない限りは大丈夫です。(プラハは24時間トラムとバスは動いています。)

あと、これもどこにでもおりますホームレス。この中には若いのも結構いて(”若い”といっても30代から50代くらいでホームレスぽくもないのでホームレスではないかもしれません) 彼らの多くは主に鉄道・地下鉄の駅やバス・ターミナル周辺に集まり、観光客ではなく地元の人間です。これは世界中で見られる共通の現象ですが法則みたいなものなので、どこへ旅行をしに行くにしても駅やターミナルの周囲を歩いていると「マネーマネー」と、とりあえず誰彼問わず寄ってきて絡んでくるのが結構います。これまた面倒なので足早に通り過ぎてください。「あ、なんかこっち見てる…?」と感じたらサァーっと通り過ぎてしまえば追ってはきません。なんか大きな声で独り言を喋っていたとしても別に凶暴なわけでもないので妖精が舞っていると思ってそぉーっとしておいてあげて真顔で通り過ぎればそれ以上は追ってはきません。もし、ジィーっと見たりとか何か受け答えなどしてしまうと彼らの縄張り範囲を出るまでずっと付いてきてしまいますので 、私は何も見ていない…何もここにはいない…。」 という素振りを続けて通り過ぎてください。ひとまずそういった妖精たちが集まる場所は駅やターミナルという場所柄大勢の人達が周囲にはいるのでそんなに心配はありません。

 

Global Peace Indexという、数値化した各国の平和度数をランキングにしたものがありますが、これも治安を見る上での指標にもなるかもしれません。ですがこのランキングは犯罪件数だけではなく、難民の割合や周辺国との関係、軍事費の比率など色々な事が要素として組まれているので、単純に街なかでの治安についてのランキングではありません。
そして日本よりも平和度数の高い国はたくさんヨーロッパにありますが、そのうちのひとつがチェコで、このチェコについて何やら書かれているものを見つけました。
「2019年5月の欧州連合人種差別報告書によると、ポルトガル、オーストリア、スロベニアとチェコは2022年の世界平和度指数上位10カ国に君臨しながら、欧州連合平均より日本人含むアジア人に対して高い差別があり、これらの国への留学や就業は日本人には控えてほしいものだとのことである。」
ん~…誰がどこでこんな事をはっきり言っているのか分かりませんけど…、ウィキペディアにはこの様に載っています。こういった事は色んなところから出てきますが、結局一番良いのは当然ですが現地で生活をしている人達の話を聞く事です。
周辺国の事は分かりませんが、チェコで差別と思える事に遭遇した事は、私はここに20年以上いますが一度もありません。ひとまずプラハには私のような長期在住の日本人だけではなく毎年多くの留学生も来ています。
この差別うんぬんに関する報告でベースにあるのは移民政策なんじゃないかなぁとは思いますが…。まずどこの立場で何を基準に報告をしているのかによっても大きく変わってきます。チェコでは難民の受け入れも全く推進しておらず、EU内でも移民や難民の受け入れに関しては他より厳しいところがあります。厳しいとはいっても他のヨーロッパの移民・難民の受け入れを積極的に行っている国々との比較であって、チェコでも一時期シリアからは少数の難民受け入れはしていました。現在はEU圏外からの労働者の受け入れも増えていますが、そのほとんどはウクライナとロシアで、といわけウクライナからの難民については大勢の受け入れ体制も整っています。これは歴史的な深い繋がりがある上での事でまた別な話。ひとまずは上記のチェコ以外の国を見ても、ドイツやフランス、イギリス等々の国と比較したら随分と国土も小さく人口も少ないところばかりで難民を受け入れる程のキャパもなく、大勢の受け入れを始めたらあっという間に行政も終わりそうです。

(※これに関連した事で移民の国籍取得については、例えばフランスをあげてみますと、フランスでは外国人がフランス国籍を取得する(フランス人になってフランスのパスポートを持つ)のには5年間連続で(これには別のケースもありますが普通は5年)フランスに居住しちゃんと仕事があって納税して語学力などのテストを受け審査をクリアする必要がありますが、逆を言えばこれだけでフランス人になれるわけです。つい先日私の身内のひとりも晴れてフランス人となりまして私は結構びっくりしました。「えぇっ!?数日前から君、フランス人だったん!?フェリスィタスィヨ~ン」て感じで、そりゃびっくりですよ。私はチェコで上記同様のハードルをクリアして永住権は得ていますがチェコ人ではありません。チェコの場合の申告による国籍取得では、まず「チェコ共和国に永住権を持ち、犯罪歴がない事」です。ここまでは私はクリアしています。ですがここからがもう無理で、「10歳になる前にチェコ共和国の領土に居住していた18~21歳の人」に適用されます。(プラハインテグレーションセンターHPより抜粋) なのでもうおじさんの私はこれには当てはまりませんのでチェコ国籍取得は不可能です。私はただの無期限長期チェコ在住日本人ですね。 まぁ日本では多重国籍は基本認められていないので、仮にもし私が他国の国籍を持つ場合日本人をやめる必要がありますが、多重国籍を相互認めている国々の場合、それぞれの国には複数のパスポート(国籍)を持っている人達が多くいます。ですが、複数の国籍を持てる場合であってもなんらかの理由で生まれた国、両親・家族がいる国の国籍を捨てる人達もいます。 日本だとなかなか想像し辛いですが”国籍”というものに対しての考え方がヨーロッパの中でも各国それぞれあるという事ですね。)

そして「アジア人に対して…」という点についてですが、アジア人≒中国人というイメージが欧米諸国には漠然とあって、とにかく”アジア人” と一括りにする人は実際中にはいます。これについてはもうどこかで聞いた事はあるかもしれませんが、逆の私達の立場で西洋人を見た時の事を考えてみるとそれもよく分かるかもしれません。例えばよく「海外では…」というのを見かけますが、日本の外の地球上の全ては海外です。後は「ヨーロッパでは…」ともよく見かけますが、上記の様にフランスとチェコを挙げてみても国籍に対する価値観からして根っこから全然異なります。話を戻しますが、ひとまずは日本人が差別されるなんて話はネ◯◯チ関連でもなければ聞いたこともありません。情報は常に最新のものへと更新をしていく必要がありますが、そのためにはやはりどこぞの国際機関が出した報告を調べたりネット記事を読んだりするよりも現地の人間に尋ねるのが一番早くて正確です。
ひとまず、もし「ニーハオ!」とこちらで声をかけられたら満面の笑みで手を振って「こんにちは!」「ありがとう!」「サムライ!」「ヤクザ!」とか答えてあげましょう。たぶんノッてくれます。別に差別をされているわけでは全然ありません。
後は単に自身の受け止め方の問題であって「差別された!」となるかもしれません。まぁ気にしない事です。

ひとまず他国の事は分かりませんがチェコに関しては日本人差別とかないですので…ご安心ください。

この前あるCAさんが差別に関しての話をしていましたが、大事なのは「自分のアイデンティティーに誇りと自信を持つ事と都合の良い鈍感力」と言っていまして、いやその通りよな、と思いました。先ほど「私はチェコで差別と思えるような事に遭遇した事がない」と書きましたが、これももしかしたら人によっては差別と思う事もあったかもしれませんけど私は全くその様に感じた事がない、という事です。なんにしろ気にしない事です。

 

※補足ですが、ご年配の方だとアジア人に限らず外国語を喋っている外国人を嫌がる人がまぁまぁいます。
ですがこれもアジア人を特別ターゲットにして差別しているというわけでもなく、単に外国語でワァーワァー道ばたで話している外国人がイヤなだけです。観光地でそう思われてもなぁ、という感じでもありますが、これも別にチェコに限らずどこででもありそうな事ですよね。
外国人が滅多な事では訪れないような、観光地にも全くなっていない街などに行くとアジア人は目立つのでもしかしたら眉間にシワを寄せたような表情でジロジロ見られる事もあるかもしれません。
ですがそんな場合でもチェコ語で話しかければ別になんて事もなく普通に話をしてくれます。というか「あなたチェコ語話せるの?」といった感じであちらから話しかけてくれて「ここで何やってるの?この街はどう?気に入った?」とか聞いてくる事もあるので「良い街で好きですよ」とか答えると「それは良かった」となって笑顔になります。
その気持ち、なんとなく分かって頂けるかと思いますが、たとえ観光地だとしてもそこで生活をしている人達がもちろんいるわけで、その生活圏内へとお邪魔しに行くという気持ちはいつでも持っておいたほうが良いかなとは思ます。
ひとまず言葉っていうのはやっぱり重要なので、海外旅行の際にはその国の挨拶だけでも覚えて行くと良いですよ。チェコ語では「ドブリーデン(こんにちは)」「ヂェクイ(ありがとう)」です。
日本でも「Hello」「Thank you」とか言われるよりも「コンニチワ」「アリガト」と言われた方がなんか気分も違うかと思います。どこの国の人達も同じですね。

 

「治安」とはいったい何を指すのか、という話にもなりますが、スリや置き引きなどは世界中の観光地にいます。旅行先ではこのスリに対する予防策がまずは一番の課題にもなるんじゃないかと思います。ですがここプラハではそこまで難しい事でもなく、スリに遭わないようにするにはカバンの位置ですね。必ず前方に下げるようにして視界の外側の背中の方に回さないようにして頂ければスリも気をつけている人には寄ってきません (もうネット検索で治安について調べてこの私の記事までたどり着いたという方は常に気にされている方だと思うので大丈夫かと思います。)

とはいえ私は普段バックパックやメッセンジャーバッグを背中にしょって普通に歩いていますが…、最近はスリ対策で工夫が施されたバッグも多く出ていますので、そういったバッグを旅行では選ぶと良いです。そんなパッと見無防備に見える様な私は毎日のように観光地のど真ん中を歩いていますが、これまでにスリに遭った事は一度もありません。ですが逆にスキだらけに見える人は何度でもスリに遭います。この”スキだらけ” というのがどういった事なのか表現するのはなかなか難しいのですが…、スリがどうやってそれを見分けているのかまでは分かりません。ですがこれまであちこち海外旅行をした経験のある人で一度もスリに遭った事のないという気をつけている人はプラハでも遭う事はないはずです。そして何がどこに入っているのかをしっかり記憶しておき、人々が行き交う人混みの真ん中でカバンを開けて物を探し取り出したりしない事です。

ご参考までに私の普段の愛用バッグのいくつかをご紹介。
左はいわゆるメッセンジャーバッグですが、かなり強力なベルクロです。カバンを開ける時に”バリバリ!”と凄い音が出ます。スリはおそらくカバンに手を付けたとしても諦めるでしょう。
真ん中はいわゆるショルダーバッグですが、柔らかめの素材で横から見たら二等辺三角形の形をしたバッグに物をたくさん入れている場合、この様にたすきがけにすると上のファスナーが身体に密着して隠れてしまいます。もしスリが無理にファスナーを開けようとすると、どうしてもファスナー部分を探すのにまさぐるので身体に触れてしまい、これは諦めるでしょう。
右はいわゆるバックパックですが、これはロールトップというタイプでファスナーはありません(写真では見えませんが背中側に全面オープンのファスナーがあります。)。これをスリが開けようとした場合、バックパック上部にあるロールトップを開けるのに片手では相当に難しいので、これは諦めるでしょう。
私は普段カメラを持ち歩いているんですが、特にカメラ用に作られたバッグには防犯を意識したものが多いです。上の写真でカメラ用バッグは右のTENBAというブランドのバッグです。
日本だと「ダサっ!」とか若者の間での流行りはあるようですが、チェコ(多分ヨーロッパ全土) では人の持ち物なんぞをいちいちチェックしてオシャレ度判定などしている人はおりませんので何もその辺を気にする必要は全くございません。
ですがそうは言っても女性の場合は上の写真の様なメッセンジャーバッグやバックパックを担ぐのにはいささか(いささか?) 抵抗があるかもしれません。ひとまずご参考までに、という事で、こういったタイプのバッグだとスリからターゲットにはされずに寄っては来ない、と思って旅行の際のバッグ選びをして頂けたらと思います。

※結構頻繁に在チェコ日本大使館から「犯罪発生状況」というメールが届きますが、そこに書かれている事はいつも
「プラハ市内主要観光地でのスリ、国際列車・バス内での置き引きなどの盗難被害が多発。チェコは治安が良いからと油断せず警戒を怠らないようにしてください。」
という内容です。
プラハはヨーロッパでもローマやバルセロナなどと並ぶ有数の観光地ですので、やはりスリはいます。
ですが、特別にチェコがとんでもないスリ大国というわけではなく、どこの国でも同じで、観光地にはスリがいるという事を忘れずに海外旅行をして頂けたら、気をつけている方達はそうそうスリに遭う事はありません。

 

あとはよくネット上で見かける”ひったくり”。これについてプラハの観光地で、ひとまずはここ十年くらいは聞いた記憶がありません。というか全然聞いた記憶がありません。いつ頃のどの辺りの情報かな、とも思いますが、もしかしたらどっかであるのかもしれませんけど…、耳に入ってこないという事は仮にあったとしてもプラハの観光地での観光客に対しての被害というより、観光地の外のチェコ国内のどこかで現地の人に対しての被害という事じゃないかなとも思います。

※と、書いたところで速報ですが、日本人のひったくり被害があったようで…在チェコ日本大使館からのメールがありました。(2025/4/23)
「犯人の男は20歳前後の若い外国人男性1人で、チェコ語と片言の英語で話しかけ、「至急、家族に連絡する必要がある。携帯電話を使用させてほしい」旨、懇願し、被害者が携帯電話を取り出したところ、隙をついてこれをひったくり逃走しました。」
との事です。
ちなみに現場はバス・ターミナルの最寄りの地下鉄駅 (地下鉄B線Florenc駅) 周辺です。あの辺りは観光地ではなく歴史地区の外になりまして、前の方で書きましたが、”バスターミナル””地下鉄駅”と、まさに妖精の縄張りのど真ん中です。地元の人間からすると「あぁ、あそこかぁ…」といった感じの場所です。「プラハでどこか気をつけた方が良い場所ってありますか?」と言われたら、まず最初に思い浮かぶのが”駅””バスターミナル”といった妖精の縄張りです。これは本当にチェコに限った事ではなくどこでも同じです。警察官がどんなに散らしても散らしても、いなくなったらまたチラホラといつの間にか舞い戻ってきます。プラハはまだ警察官が巡回して散らしていますが、警察官が巡回しない、もしくは巡回していても追いつかない地域・国などの場合、その場所は完全な妖精達の巣窟となってしまい、地元民すらも立ち入る事ができない地域になってしまいます。幸いプラハにはそういった場所はありません。
ひったくりのニュースが在チェコ日本大使館から来たのってこれまでにあったかな、というくらい記憶にないですが、ひったくりもいるようです…残念ながら。
再度書きますが、地下鉄駅や鉄道の駅、バスターミナルという場所にはチェコに限らず妖精が住み着いております!そういった場所で何か声をかけられても「私は何も見ていない…何もここにはいない…。」 という素振りを続けて通り過ぎてください!お願いします。

 

そしてボッタクりの店、これはあまりプラハで聞いた事はないんですが…、観光地なので観光客と分かったら何かあるかもしれません。まずはメニューの金額と出されたレシートは確認してください。「ユーロで支払ったらかなり割高な料金を提示された。」という話も聞きますが、ユーロで払うと割高になります。これはボッタクりではありません。あとは、カード支払いの時に「日本円で払う?チェココルナで払う?」と聞かれる事もありますが、その時には「コルナ」と答えてください。この理由は長くなるので書きませんが…外国でのカード支払い時には現地の通貨を選択してください。そしてボッタクリとも思える程の大した料理でもないのに高級レストラン並みの金額のレストランもあります。こればかりは地代の高い観光地なので難しいですね…。まずは出来れば事前に観光客に全振りしてしまった様なレストランには行かないように調べておくのが良いですね。そして日本にはない習慣であるチップ。チップはボッタクリではありません。チップについては日本人からは「大したサービスもないのにチップを要求された」という様なコメもありますが、サービスに対する考え方もまた色々です。ぶっちゃけてしまえば、マクドナルドやKFCみたいなファーストフード店ではなく、テーブルまで料理を運んでくれる店というのがサービスを提供している店だと思いましょう。日本だとそんなの当たり前過ぎて口に出す人なんてのは皆無ではありますが。このチップは一割程度ですが、カード支払いの時にはレシートの金額に一割足した額を口頭で告げればOKです。ちょっと慣れないと大変かもしれませんが、日本とは全く異なる文化のヨーロッパへ旅行に来たという事で、郷に入っては郷に従い文化の違いというものも楽しみましょう。貴重な異文化体験の機会です!

後は、タクシー? これも観光地には白タクというものがいるので気をつけてください。ライドシェアとかではなく正真正銘の白タクです。白タクというのも世界中どこにでもいます。いまやタクシーは流しやタクシー乗り場で捕まえるものではなく、自分でアプリなどで呼び出すものです。もしやむを得ず路上や駅などにいるタクシーに乗る時には (十中八九正規のタクシーではない白タクと思いますが) 地図を出して見せてあらかじめ行き先までの料金を聞き「今これしか現金を持っていない。カードは使えない。」とか言って交渉しましょう。ただしそれをやるには相場の料金を知らないといけませんが…。 まぁ一番良いのはタクシー会社のアプリ(またはライドシェアUberや、ヨーロッパで多いのはBolt) を事前にスマホに入れておく事です。呼んだ所まで来てくれますしおおよその料金も乗車する前に出てきます。ドライバーに行き先を告げなくても既に分かっているのでそんなに会話をする必要もなくなります。そしてドライバーの名前や営業許可登録番号などの情報をはじめ全ての記録はアプリに残り本部にも丸見えなので余程の事でもなければそうそう悪い事はできません。

そしてもうひとつ、両替。両替は両替所でやりましょう! 道ばたで現金の札をひらひらさせて寄って声をかけてくる人間なんてあからさまに怪しいじゃないですか。絶対にそんな人と両替をしないでくださいね。両替所については私の別記事 ヨーロッパ旅行必見!カードブランドはVisaとMastercardの2枚持ち・使えない原因・Apple Pay・プラハの両替所~現金は裏切らない で載せてありますのでご覧ください。

ひとまず上記の事柄を「治安」と言ってしまった場合、日本も相当治安は悪い国になってしまいます。どことは言いませんが日本の繁華街は世界有数のデカさで観光地にもなっています。日本でのそういった地域でのスリやボッタクリ、白タクなどは私でもこれまでに幾度となく耳にしています。近頃は良くなってきたのかな?いや余計にひどくなっている様な話も聞きますが…。とりあえずはチェコに限らずどこでも人がたくさんいる街へと旅行に行く際には「自分はここでは外国人で、様々な国の外国人観光客が集まる繁華街に遊びに出かける。」と思って行動しましょう。

 

プラハは90年代終わりから2000年代終わりにかけての約十年間で街の様子がかなり変わりました。正直、2000年代前半頃の物凄い勢いで経済発展していった時期には偽警察官や集団スリなども耳にしましたが、2010年代に入ったくらいから徐々にそういった話は聞かなくなってきました。これは民主化後の混乱期を終えてチェコ全体の社会状況や経済状況が安定していった事を意味しますが、それと同時に観光客が多く訪れるようになって政府も街の治安の強化について力を入れてきたという事でもあります。プラハにいらっしゃると街なかで二人組の警察官やパトカーを至る所で見かけるかと思いますが、これは別に何か事件があったわけではなく、街なかをずっと巡回して歩いているんです。で、妖精を発見するとすかさず職質が始まります。この観光地としての意識については、歴史地区内の色々なお店やレストラン、両替所など、旅行者が利用する施設についても行政からのチェックが頻繁に入っています。(私も以前にお忍びリサーチでレストランなどのチェックを頼まれた事があります。) なので問題の店などが出てくると営業停止となったりなくなったりしてしまうんですが、それも近頃は見ないので、悪質な店もなくなってきているんじゃないかと思います。 

※つい最近の話だと、観光地の中で赤い傘をさしている人達がいっぱいおりまして、彼らは別に詐欺をやっているわけではないんですが、観光客に声をかけて各種観光チケットを売っていました。ですが、その往来での販売も禁止されていなくなりました。

 

街の様子や治安といったものは時が経てば時代によって変わっていきます。これはチェコを含めたヨーロッパだけに限らず日本でも同様ですよね。良くなっていくか悪くなっていくかはそれぞれですが、ひとまず仮に十年前の数字を元にした記事などが未だにネット上に残っていたとしたら、それは何の役にも立ちません。

 

※ここまでの話は”歴史地区”と呼ばれる観光地内での話です。この地域から出た場合は観光地ではなくなるので現地人のテリトリーになります。そうなるとまた話は違ってくるので、昼間ではなく夜中に歴史地区を出て外を散策する場合は可能な限り現地在住の人間と散策してください。明るい時間や日没後でも19:00くらいまでに散策したり公共交通機関を利用する分には人通りも多いですので別段問題はありません。(危ない地域があるというわけではないですが、観光地内とは異なる予期せぬ事も起きる可能性もあるという事です)

マップ上の赤枠の中が歴史地区

治安という話についてはこれは非常に難しく、人によって感じ方は様々です。(普段お住まいの地域の環境との比較もありますし) 私にとってのプラハはめちゃくちゃ治安が良く平和で全く殺伐とせずにのんびりとした空気の漂う街なのですが (小学生の子供達だけでトラムやバスに乗ったり街なかを歩いて通学しているのを見かけますし、プラハ中心地の日常風景の中には子供達がたくさんいます。日本と変わりません。ちなみにプラハは15歳未満の子供達は公共交通機関は無料で乗り放題です) 、人によってはそう感じない場合もあるかもしれません。私的には日本のいくつかの某大都市の某有名繁華街の中を夜歩く時の方がよっぽど絡まれないよう気にしながら歩きますが(笑)、そういったなんというか、場慣れの関係もあるかもしれませんね。やっぱり当たり前の事ですが、よく知らない外国の街を歩く時には不安はあります。ですので、旅にお出かけになられる前にできるだけ現地の人の話を集めて情報収集をする事で、それが安心にも繋がるかと思います。

 

治安の話ばかりだとあれので…、ちょっと話題を変えましょう。

チェコを多少でもご存知の方達ならば、
「チェコはビールをはじめお酒が美味しい上に安い国」
という印象かもしれませんが、これはこちらヨーロッパでもそんなイメージです。

そんなチェコのプラハで問題になってきているのが、現在「パブ巡り団体ツアー」とかいうものが若い旅行者の間で大流行となっていまして、街中夜通し毎日毎晩朝まで物凄い数の酔っぱらいが陽気に道ばたで騒いで車が通れなくなる程となっています。
以前はここまでの事はなかったんですがねぇ…ほんとに。

なのでプラハでは「観光客が多過ぎる!出ていけ!」ではなく、
「ここはしっかりと追加措置を講じましょう。」
となりまして、プラハ1区の区議会議員はプラハ市に対して
午後十時から朝六時までの団体パブ巡りの禁止の承認を求めました。

私はこれ見て思いましたけど、まずはこれで良いと思いますけどね。まずは。
陽気に騒ぎにきている観光客のお兄さん達が羽目を外し過ぎないようにルールを決めてあげればいいんですが、まずはそのために「夜十時以降はパブ巡り団体ツアーをやめさせよう」となったわけです。ツアーなので企画をしている業者がいるんです。
デロデロに酔っ払ったお兄さん達に集団で水鉄砲をかけるわけではありません。そんなんしたら余計に騒いで喜びます。大はしゃぎです。酔っぱらいには逆効果です。

このツアー、普通に静かにお酒を楽しみたいお客さん達をも阻害しているので、ほんとやめてもらいたいんです。

突然に観光客を皆で責めるのはお門違いで、まずは自分達身内でのテリトリーで行政がしっかりルールを決めて対処をするのが先で、それがまぁ最善かとは思いますが、どうでしょう。それができないと観光客のマナーは止めどなく悪くなっていき、「ほんと何をやってもロクなお咎めもなくフリーダムで良い国だ!」と思われて、少々乱暴な言い方をすると舐められます。そうなると行く行くは街の治安にも関係していきます。

ほとんどの観光客はそんなマナーがひどいなんて事はないので「夜十時以降パブ巡り団体ツアーを行ったら罰金」なんて決まりがあったところで関係のない事でしょう。

で、その「酔っぱらいなんとかしなさい」と注意を受けてやり玉に挙がってしまったお気の毒なお店がありまして…、ここもまた歴史的な建造物なんですが「Chapeau Rouge」というパブ&クラブ&ライブハウス。
私もこんなに酔っぱらいの団体が増える前まではたまに行ってましたけど、なかなか雰囲気の良いコヤなんです。

このすぐ左隣は有名な聖ヤコブ教会!

ここはまぁまぁの老舗で創業が1919年です。その頃から「Chapeau Rouge」という名で営業を続けています。
ですが「Chapeau Rouge」という名になるそれ以前の17世紀からここは放蕩者の集まる酒場として有名な場所だったようです。
すぐ隣にはまた有名な聖ヤコブ教会があるんですが、かつてここで目撃された証言では
「荒廃した建物には騒々しい悪霊が取り憑き、悪魔が酒場を経営し屋根裏にはドラゴンを飼っている」
と言われたそうです。
いやこれ、めっちゃ笑えるんですけど。
三百年以上経っても未だに騒々しい悪霊が取り憑いてドラゴンが火を吹いているわけです。

チェコはお酒の美味しい国です。プラハの旧市街地区のいにしえの街の中でほろ酔い気分になるのはとても気分が良いですが、悪霊が取り憑きドラゴンを飼ってはいけませんよ。

私は夜のプラハが大好きで時間があればよく夜中に街を徘徊しながらプラハの美しい夜景の写真を撮って歩いていますが、確かにこの酔っぱらいの数は増えてきている感じは致します。是非この辺は今後プラハ市には対処をして頂きたいですね。

また何か続報があればアップしたいと思います。

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