先日、プラハの自動車の登録台数がプラハ市の人口とほぼ変わらなくなった、という、ちょっと面白いニュースがありました。
チェコの統計局によるとプラハ市の人口が1,275,406人という事なんですが、同時に自動車の登録台数が1,217,344台となっているらしいので、確かにかなり人間の数に迫っていますね。
言われてみれば、近年プラハもあちこちで渋滞が発生している感じもします。
大型バスで空港から中心地のホテルに向かうのにも結構時間がかかって大変な事も度々あり、工事なんかをやっていたりしたら全く進まなくなります。プラハ観光にいらした方の中で経験された方もいるかもしれませんね。
書いてて思い出したんですが、かつてまだ街の雰囲気も社会主義時代の名残りがあった頃の90年代末から2000年くらい、自動車の数も今ほど多くはなかったんですが、ある時、一車線一方通行の道が全く進まなくてえらい渋滞していた事がありました。私はそれをその道沿いの建物の窓から眺めていたんですけど、何があったのかというと、道の先でパトカーが止まってて動いてなかったんですね。で、そのパトカーを運転していた警察官はどこに行ったのかというと…その横のレストランで二人でご飯を食べてました。
そして食べ終わった後、何事もなかったかのようにパトカーに戻ってきて何も言わずに走り去っていったんですよね。
その一車線の道で、次々と後ろからやってくる車の運転手は何も言わずにただ律儀に警察官がレストランから出てくるのを待ってるんです。
「いやぁ、これは凄いねぇ。」
なんて私は窓から下を眺めて感心してましたけど、今だったらこんなのはあり得ませんね。
話がえらい逸れてしまいました。
プラハの人口は自動車の数ほど急激には増えていないのにも関わらず、自動車だけがこれだけ増えているという事は、一人で何台も持っている人が結構いるんでしょうね。これだけ多くの車がプラハの街なかで駐車されているのを見ると普段から皆車に乗って通勤などしているように思われてしまいますが、実はプラハで日常的に車に乗る人は約20~25%程という事で、他は所有していても稼働しておらず駐車されっぱなしで放置されている車か、もしくは車自体所有していない人がプラハでは多いという事です。なんですが、現在のプラハ市議会での街造りに対する方針はその25%程のドライバーのための方針となっているふしがあります。あるジャーナリストが「プラハにいる政治家は車好きの高級車コレクター」と冗談ぽく言っていましたが、あながちこれは冗談でもなかったりします。

プラハ城王宮のある丘の麓にある聖ミクラーシュ教会前広場も駐車場になってしまっております…
プラハの中心は道路に路面電車の線路もあるので、車が渋滞していたら路面電車も動きません。なのでみんな路面電車から降りて歩き出す人もたくさんいます。歴史地区のプラハで道を拡張したりするのは非常に難しいので、中心地の周囲やトンネルで道を増やしてはいるんですが、この先渋滞はどんどん激しくなっていき、駐車スペースで歩道や公園もなくなっていくような気もします。正直、小さなプラハの街なかでの普段の生活で車が必要となる事はほぼないです。トラムやバスが優秀過ぎます。
ただ、私は日本にいた時に東京に住んで仕事をして車も運転していたので、あの平日昼間の都内の渋滞を思い出すと、プラハはまだまだ大丈夫、などとも少し思ってしまったのですが…東京とプラハを比較するのもおかしな話ですね。
ちなみに、そんな渋滞の街である東京の人口が約1400万、そして車の登録台数が442万、という事で、プラハが街の規模と比較してもどれだけ車の台数が多いのかがよく分かります。
ほんとこの辺りは歴史地区での街開発の難しさもありますが、あまりに車の渋滞や駐車が多くなると折角の美しいプラハの街並みが台無しになってしまいます。
この先どうなるんでしょうね。
コメント